さよならお向かいのおじさん

ゆるく生きる

こんばんは、るす子です。

 

お向かいに住んでいて、入院中だったおじさんが亡くなったようです。
コロナの影響でか、元よりその予定だったのか、今日ひっそりと火葬されたみたい。

 

わたしは特にご近所付き合いなどはしていないのですが、定年後、天気が良い日はずっと外で庭をいじったり掃き掃除をしているおじさんとだけはよく喋っていたのです。
引きこもりとは言えね、作品の発送だとか買い物だとかで外には結構出るので。出ると必ず会うので。

 

ちょっとボケちゃってて、毎日会っても毎日同じ話をする。
口を開けば『彼氏はどうした』『早く結婚しろ』と続く。
昨日彼氏がいなかった引きこもり女に、今日彼氏ができているはずがないんだよなぁ。

 

まあ、これだけでも嫌な人は嫌だろうし、もし自分の父がご近所の未婚女性にこんなこと言ってたらすぐにぶっころころしてわたしも死んで詫びたい、くらいの事も言っていたのだけど、なんかわたしはそのおじさんが嫌いじゃなくて、結構仲良くしていた。
(100人が聞いて100人がどぎついセクハラだと思うことを真昼間の往来でしているおじさんの方が恥ずかしくないか、と思うと逆にわたしは面白くなってしまって言わせたい放題にしていたけど、本当にこういうのが嫌な人は逃げるなりしたほうがいい。付き合う必要はないと思う)

 

最近のことはとんと覚えていないし、わたしとの会話もたぶん家に入った途端に忘れてるんだと思うけど、勤めていた会社の話や、奥さんとの出会いや、子育てのこととか、昔話はびっくりするくらい事細かに覚えていて、すごく楽しそうに話していた。
でも、「今は娘がどこに住んでるかわからない」「父親なんてこんなもん」と言う姿は少し寂しそうだったなぁ。

 

去年の末には、真冬だってのに上着も着ず、サンダルつっかけてどこかへ行ってしまって、おばさんと懐中電灯片手に走り回って探したりもした。
その後しばらくしておじさんは入院してしまって、きっともっといろんなことを忘れてしまって、わたしのことなんて忘れてしまったんだろうと思う。

 

でもわたしは覚えているんだぞ。
結構おじさんとのおしゃべりが好きだったんだぞ。
挨拶がわりの『結婚しろ』に「わたしが結婚したらおじさん寂しくて泣いてしまうだろ」と返してふたりでガハハと笑うことはもうないんだなぁ。寂しいなぁ。

 

昼、部屋の窓から火葬場へ向かうおじさんをひっそりと見送りました。
またねおじさん。あの世でえぐいセクハラかますんじゃないぞ。

 

 

今日はここまで。

それでは、またあした。

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